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クレーム初期対応の質が、カスハラ化を左右することがある

人材定着と信頼型組織づくりの伴走役

企業経営カウンセラー® 岩出優です。

 

クレーム初期対応の質が、

カスハラ化を左右することがある

 

「最初の電話さえ、

きちんと対応できていれば」

 

カスタマーハラスメント、

いわゆるカスハラの事案が

深刻化したあとで、

 

管理職の方から

このような言葉を

聞くことがあります。

 

もちろん、すべてのカスハラを

初期対応だけで

防げるわけではありません。

 

最初から理不尽な要求を

してくるケースもありますし、

 

どれだけ丁寧に対応しても、

相手の言動がエスカレートして

しまうこともあります。

 

しかし一方で、

お客様からのご指摘が

カスハラへと変質していく過程には、

共通して見られるポイントがあります。

 

それは、初期対応の段階で、

相手の不満が増幅されて

しまっていることです。

 

クレームは本来、

企業にとって大切なフィードバック

 

クレームという言葉には、

どうしてもネガティブな印象があります。

 

現場で働く従業員にとっては、

できれば受けたくない

ものかもしれません。

 

強い口調で指摘を受けたり、

忙しい時間帯に

対応を求められたりすると、

精神的な負担も大きくなります。

 

ただ、クレームそのものは、

本来であれば企業にとって

貴重なフィードバックです。

 

商品やサービスの不具合、

説明不足、接客時の行き違い、

期待していた内容とのズレなど、

お客様の声の中には、

会社が改善すべき

ヒントが含まれています。

 

問題は、その最初の受け止め方です。

 

最初の数分間の応対次第で、

正当なクレームのまま

解決に向かうこともあれば、

不満が怒りに変わり、

さらに攻撃的な言動へと

発展してしまうこともあります。

 

最初のひと言が

「敵か味方か」を決めてしまう

 

たとえば、ある小売店で

こんなことがありました。

 

商品の不具合を申し出たお客様に対し、

応対した従業員が開口一番、

 

「そういうケースは滅多にないんですが」

 

と返してしまったのです。

 

従業員としては、

悪気があったわけではありません。

 

事実として、

同じような不具合は

ほとんど起きていなかった。

 

だから、そのまま口にしただけ

だったのかもしれません。

 

しかし、お客様側からすると、

まったく違う受け止め方になります。

 

「自分の言っていることを疑われた」

「こちらが悪いと言われているように感じた」

「この店は客の話をまともに聞く気がない」

 

そんなふうに受け止められて

しまうことがあります。

 

その後、店長が誠実に

対応しようとしても、

すでにお客様の中では、

 

「この店は客を信用していない」

 

という前提ができあがっています。

 

すると、

どれだけ説明しても

言い訳に聞こえ、

 

どれだけ謝罪しても

不十分に感じられてしまいます。

 

結果として、

長時間の拘束や

過度な謝罪要求に

発展してしまいました。

 

最初のひと言が、

お客様の中で

「この人たちは敵なのか、味方なのか」

というラベルを決めてしまったのです。

 

初期対応で大切なのは、

まず受け止めること

 

クレーム対応というと、

すぐに解決策を提示しなければ

ならないと考えがちです。

 

もちろん、問題解決は大切です。

 

ただし、

初期対応の段階で最も大切なのは、

解決策を急ぐことではありません。

 

まずは、受け止めることです。

 

事実関係の確認、責任の所在、

交換や返金の可否、

社内ルール上の判断などは、

次の段階で確認すればよいことです。

 

お客様が最初に求めているのは、

多くの場合、

 

「自分の困りごとを

真剣に聞いてもらえている」

 

という実感です。

 

ここが抜け落ちたまま、

いきなり事務的に

処理しようとすると、

お客様の感情は置き去りになります。

 

たとえば、

 

「ご迷惑をおかけしました。

で、どういったご用件でしょうか」

 

という対応は、

一見すると丁寧です。

 

しかし、

相手の感情が高ぶっている場面では、

 

「早く処理しようとしている」

「形式的に謝っているだけ」

「こちらの気持ちを分かろうとしていない」

 

と受け取られることがあります。

 

この温度差が、不満を怒りへ、

怒りを攻撃へとエスカレートさせる

燃料になってしまうのです。

 

「受け止める」と

「言いなりになる」は違う

 

ここで誤解してはいけないのは、

受け止めることと、

相手の要求を

すべて受け入れることは違う

という点です。

 

お客様の話を丁寧に聴く。

困っている状況を確認する。

不快な思いをさせたことについて、

必要な範囲でお詫びする。

 

これは、

初期対応として大切なことです。

 

一方で、

過度な要求や人格否定、

長時間の拘束、土下座の強要、

金銭要求などに応じる必要はありません。

 

むしろ、

そこまで進んでしまう前に、

初期対応の段階で

相手の不満を増幅させない

ことが重要です。

 

丁寧に受け止める。

必要な確認をする。

 

できることと

できないことを分けて伝える。

 

難しい場合は、

早めに責任者へ引き継ぐ。

 

この流れがあるだけで、

現場の負担は大きく変わります。

 

初期対応者を

孤立させない仕組みが必要

 

クレーム初期対応で重要なのは、

対応する従業員個人の

スキルだけではありません。

 

初期対応者を孤立させない

仕組みも欠かせません。

 

一次対応をしている従業員が、

一人で判断し続けなければ

ならない状態になると、

対応は不安定になります。

 

どこまで謝ればよいのか。

どこから責任者に代わればよいのか。

どの発言を記録すべきなのか。

相手の要求を断ってよいのか。

 

こうした判断を

現場の従業員だけに

背負わせてしまうと、

不安が応対に出ます。

 

その不安定さは、

お客様にも伝わります。

 

だからこそ、管理職が日頃から、

 

「困ったら早めにバトンタッチしていい」

「一人で抱え込まなくていい」

「判断に迷う場面は、すぐ共有していい」

 

というメッセージを

出しておくことが大切です。

 

さらに、二次対応者が

スムーズに引き継げる体制も必要です。

 

誰に引き継ぐのか。

どの段階で交代するのか。

どの情報を記録しておくのか。

 

交代後、一次対応者を

責めない文化があるか。

 

ここまで整っていると、

現場は安心して初期対応に

向き合うことができます。

 

カスハラ対策は、

起きた後だけの対応ではない

 

カスハラ対策というと、

悪質な事案への毅然とした

対応に目が向きがちです。

 

もちろん、それは欠かせません。

 

明らかに理不尽な要求や暴言、

脅迫的な言動に対しては、

会社として線引きをし、

社員を守る必要があります。

 

ただ、カスハラ対策は

「起きた後にどう対応するか」

だけではありません。

 

その手前にある、

初期対応の質を高めることも、

重要な予防策です。

 

最初のひと言。

最初の数分間。

最初に相手の話をどう受け止めるか。

 

そこに注意を払うだけで、

クレームがカスハラ化する

リスクを下げられる

可能性があります。

 

皆さんの職場では、

クレームの初期対応について、

どこまで共通認識があるでしょうか。

 

現場の従業員は、

一人で抱え込まずに

相談できているでしょうか。

 

責任者へ引き継ぐ基準は、

明確になっているでしょうか。

 

カスハラ対策の第一歩は、

特別なマニュアルを作ること

だけではありません。

 

目の前のお客様の困りごとを、

最初にどう受け止めるか。

 

その小さな対応の積み重ねが、

社員を守り、職場を守り、

結果としてお客様との

関係も守ることにつながります。

 

カスハラ対策・クレーム対応の

ご相談について

 

カスタマーハラスメント対策では、

悪質な事案への

対応ルールだけでなく、

現場が安心して対応できる

初期対応の仕組みづくりも大切です。

 

弊社では、

企業向けのカスハラ対策研修、

対応マニュアル作成、

相談体制づくりの

支援を行っています。

 

「現場任せになっている」

「管理職の対応にばらつきがある」

 

「カスハラ対策をどこから

始めればよいか分からない」

 

このような課題がある場合は、

お気軽にご相談ください。

 

 

お読みいただいた方へ

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

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人材定着と信頼型組織づくりの伴走役

 企業経営カウンセラー® 

岩出 優(いわでゆう)

 

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