人材定着と信頼型組織づくりの伴走役
企業経営カウンセラー® 岩出優です。
「いい人が応募してこないんですよ」
先日、ある経営者の方から、
そんな相談を受けました。
求人媒体に200万円
かけても反応が薄い。
ようやく入った人も、
すぐに辞めてしまう。
話を聞いていると、
似たような悩みを抱える企業は
本当に多いと感じます。
あなたの会社でも、
同じような声が出ていないでしょうか。
「いい人が応募してこない」
の嘆きについては
正直言いにくいのですが、
「いい人が来ない」のではなく、
「いい人に選ばれていない」
のかもしれません。
採用の問題は、媒体だけでは解決しない
採用単価は平均して100万円ほど。
決して小さい金額ではありません。
それだけのコストをかけても
結果が出ないとき、
多くの会社は、
「媒体を変えよう」
「紹介会社を増やそう」
と、外側の打ち手に走りがちです。
もちろん、媒体選びや
紹介会社の選択も大切です。
ただ、その前に
見直したいことがあります。
それは、
「自社の魅力を、どう言語化しているか」
「現場で働く人が、
どんな表情で働いているか」
という内側の問いです。
ここに手をつけないまま、
外側の打ち手だけを増やしても、
採用はなかなか変わりません。
人は条件だけで会社を選んでいない
求職者にとって、給料や休日、
勤務時間はもちろん大切です。
ただ、労働条件は、
不足すれば不満になる一方、
満たされていても
やる気が上がる要素ではないと
言われています。
あくまで働く上での最低条件であり、
最後に背中を押すのは、
条件ではありません。
「ここで働く人は信頼できそうだ」
「自分も大切にしてもらえそうだ」
「この会社なら、安心して働けそうだ」
こうした心の感覚が、
入社の意思決定に
大きく関わっています。
だからこそ、採用の土台には、
「うちの強みは何か」
「どんな人と一緒に働きたいのか」
「どんな職場をつくっていきたいのか」
を、自社の言葉で語れる状態に
しておくことが欠かせません。
求人票と実際の対応がズレていないか
現場でよく出会う落とし穴があります。
たとえば、求人票には、
「丁寧なお客様対応が強みです」
と書いてある。
ところが、応募者への連絡は遅く、
面接前後の対応もどこか事務的。
これでは、候補者はこう感じます。
「本当に丁寧な会社なのだろうか」
また、求人票には、
「仲の良い、和気あいあいとした職場です」
と書いてある。
ところが、面接の場では
経営者や面接官が一方的に話し、
応募者に圧をかけてしまう。
これでは、
せっかく興味を持ってくれた候補者も、
「言っていることと、
やっていることが違う」
と感じて離れていきます。
採用活動は、
会社の姿勢がそのまま表れる場です。
求人票の言葉だけを整えても、
実際の関わり方がズレていれば、
信頼は生まれません。
圧力型から、
信頼型のコミュニケーションへ
採用で大切なのは、
応募者を見極めること
だけではありません。
同時に、応募者からも
会社の対応が見られています。
面接での質問の仕方。
応募者への連絡の速さ。
説明の丁寧さ。
現場の雰囲気。
経営者や面接官の表情。
こうした一つひとつが、
候補者にとっての
判断材料になります。
圧力ではなく、
信頼を主体にした
コミュニケーションへ。
この転換ができている会社は、
不思議と「いい人」が集まってきます。
なぜなら、
候補者が安心して
本音を出すことができ、
会社の魅力も
伝わりやすくなるからです。
離職率100%の現場で学んだこと
私自身、社労士法人時代に
離職率100%という現場を経験しました。
人が入っても、続かない。
採用しても、また辞めてしまう。
残った人も疲弊していく。
そんな状況の中で、
私が重視したのは、
制度よりも先に
「人にどう向き合うか」
というスタンスでした。
きれいな制度を
つくることも大切ですが、
その前に、
「この人は、自分のことを
ちゃんと見てくれている」
「この会社は、自分を雑に扱わない」
「困ったときに、
きちんと話を聞いてくれる」
そう感じてもらえる
関わり方が必要でした。
手前みそではありますが、
結果としてその後4年連続で
離職率0%を実現できたのは、
信頼を土台に
人と関わってきたからと言えます。
採用の土台は、社員の声の中にある
採用を変えたいなら、
まずは小さな一歩から
始めることができます。
自社で働いている社員に、
こう聞いてみてください。
「この会社の好きなところを
3つ教えてください」
「入社してよかったと感じる
場面はありますか」
「この会社らしさを感じる
瞬間はどんなときですか」
そこから出てきた言葉こそが、
採用の土台をつくる
本物の素材になります。
外からきれいな言葉を
持ってくるよりも、
今働いている人の実感から
出てきた言葉の方が、
ずっと強い力を持っています。
「いい人が応募してこない」
そう感じたときこそ、
少し立ち止まって
考えてみたいところです。
自社は、いい人に
選ばれる状態になっているだろうか。
採用は、求人を出してから
始まるのではありません。
日々の関わり方、
社員との向き合い方、
会社としての姿勢。
その小さな積み重ねが、
未来の応募者に伝わっていくのです。
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人材定着と信頼型組織づくりの伴走役
企業経営カウンセラー®
岩出 優(いわでゆう)
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