人材定着と信頼型組織づくりの伴走役
企業経営カウンセラー® 岩出優です。
定着とは、ただ辞めないことではない。
人が本音で働き続けたくなる職場とは
人材定着という言葉を使うとき、
つい「離職しないこと」
「長く勤めること」だけに
意識が向きがちです。
もちろん、
社員が辞めないことは大切です。
採用が難しく、
人手不足が続く時代において、
社員が長く働いてくれることは
企業にとって大きな価値があります。
しかし、
本当に目指したい定着とは、
ただ席が埋まっている状態
ではありません。
毎日なんとか会社に来ている。
言われたことだけはやっている。
でも、表情は暗く、会話も少ない。
仕事への前向きさも感じられない。
こうした状態を
「辞めていないから定着している」
と捉えてしまうと、
組織の大切なサインを
見落としてしまいます。
人材定着とは、
その人らしく働き続けられる状態
定着とは本来、
その人がその職場で
安心して力を発揮し、
周囲との関係を築きながら、
自分の役割を持って
働き続けられている状態です。
つまり、
ただ残っていることではなく、
「その人らしく働けていること」
が大切です。
人は、機械のように
条件だけで動くわけではありません。
給与や休日はもちろん大事です。
労働時間や福利厚生も、
安心して働くためには欠かせません。
しかし、それだけで人が前向きに
働き続けられるわけではありません。
職場で感じる安心感。
相談できる関係性。
自分の仕事が認められている実感。
成長できる感覚。
誰かの役に立てているという手応え。
こうしたものがあってはじめて、
「ここで働き続けたい」
という気持ちが育っていきます。
人は、欲求を満たせる職場に残りやすい
人は、自分の価値観に合う職場で
働きたいと感じています。
また、自分の欲求を満たせる職場で
働きたいとも感じています。
ここでいう欲求とは、
給与や生活の安定だけではありません。
安心して働きたい。
人間関係の中で受け入れられたい。
頑張りを認めてもらいたい。
成長したい。
誰かの役に立ちたい。
こうした欲求も、
人が働き続けるうえで
大きな意味を持ちます。
だからこそ、
給与や労働条件だけでなく、
関係性、承認、成長、貢献
といった要素も、
人材定着に大きく影響します。
たとえば、上司に相談しづらい。
頑張っても認められない。
入社したものの放置され、
職場に馴染めない。
何のために働いているのか分からない。
こうした状態では、
たとえすぐに退職しなかったとしても、
心は少しずつ職場から離れていきます。
体は会社にあっても、
心は会社から離れている。
この状態が続くと、
主体性は落ち、報連相は減り、
ミスや不満が増え、
やがて本当の退職へと
つながっていきます。
退職の前に、心が職場から離れている
退職は、ある日突然起きるように
見えることがあります。
しかし実際には、その前に
「心が離れる」という
プロセスがあります。
最初は小さな違和感です。
相談しても、どうせ聴いてもらえない。
頑張っても、誰も見てくれていない。
ここにいても、自分は大事にされていない。
この職場で成長できる感じがしない。
こうした感覚が
少しずつ積み重なると、
人は静かに職場への期待を
手放していきます。
そして、あるタイミングで
退職という形になって表れます。
逆に言えば、真の定着とは、
心が職場につながっている状態です。
自分の居場所がある。
困ったときに助けを求められる。
仕事の意味を感じられる。
成長を応援してもらえる。
周囲との関係性の中で、
自分の役割を感じられる。
こうした感覚が積み重なることで、
人は「この会社で頑張りたい」と
感じられるようになります。
定着は、無理に引き止めて
つくるものではない
定着は結果です。
無理に引き止めて
つくるものではありません。
「辞めないでほしい」
「人が足りないから残ってほしい」
「今辞められたら困る」
そう願う気持ちは、
経営者や管理職であれば
自然なものです。
採用が難しく、
現場が忙しい状況であれば、
なおさらそう感じるはずです。
ただ、定着してほしいなら、
定着したくなる職場を
つくることが必要です。
人が残る職場には、理由があります。
安心して働ける。
困ったときに相談できる。
頑張りを見てもらえる。
成長の機会がある。
自分の仕事に意味を感じられる。
この職場にいても大丈夫だと思える。
こうした感覚があるから、
人は前向きに働き続けやすくなります。
人材定着には
「仕組み」と「ココロ」の両方が必要
定着したくなる
職場をつくるためには、
「仕組み」と「ココロ」の両面から
職場を見ることが大切です。
仕組みとは、制度やルール、
採用、育成、評価、
オンボーディング、
業務の進め方などです。
これらが曖昧なままだと、
社員は安心して働きにくくなります。
誰が何を評価されるのか分からない。
入社後に何を学べばよいのか分からない。
困ったときに誰に相談
すればよいのか分からない。
上司によって言うことが違う。
こうした状態では、
不安や不満が積み重なっていきます。
一方で、仕組みだけ整えても
十分ではありません。
聴き方。
認め方。
関わり方。
声のかけ方。
安心感のつくり方。
こうしたココロの土台も欠かせません。
制度はある。
ルールもある。
でも、現場で安心して話せない。
この状態では、人は前向きに
力を発揮しにくくなります。
仕組みと心
この両方がそろって、
はじめて人は安心して
働き続けやすくなります。
見るべきなのは、人数ではなく状態
経営者や管理職の立場からすると、
「とりあえず辞めなければいい」
と考えたくなる場面も
あるかもしれません。
採用が難しい。
現場が忙しい。
代わりの人がすぐには見つからない。
そうした状況では、
どうしても人数に目が向きます。
しかし、本当に見るべきなのは
人数だけではありません。
見るべきなのは、社員の状態です。
その社員は、表情よく働けているか。
職場で安心できているか。
自分の役割を感じられているか。
成長の手応えを持てているか。
周囲との関係は築けているか。
困ったときに助けを求められているか。
こうした問いを持つことが、
真の定着への第一歩になります。
人が本音で働き続けたくなる会社へ
人材定着とは、
ただ辞めないことではありません。
人が安心して力を発揮し、
その人らしく
働き続けられている状態です。
体が会社に残っているだけではなく、
心が職場につながっていること。
ここに、これからの組織づくりの
大切な視点があります。
人が残る会社をつくること。
それも大切です。
ただ、これからさらに求められるのは、
人が本音で働き続けたくなる
会社をつくることです。
定着とは、結果です。
だからこそ、目の前の社員が
「ここで働き続けたい」
と感じられる職場を、
日々の仕組みと関わりの中で
つくっていくことが大切です。
お読みいただいた方へ
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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人材定着と信頼型組織づくりの伴走役
企業経営カウンセラー®
岩出 優(いわでゆう)
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